物語

デパートと住人

金星灯百貨店

夢の大百貨店

塔のような七階建ての百貨店。何でも揃う夢のデパート。最上階には小さな遊園地も。
迷路のようなフロアには、奇妙な住人たちが潜んでいる。ここから始まり、ここで終わる、物語の舞台。

 

一階 総合案内と婦人服のフロア

二階 服飾雑貨のフロア

三階 紳士服のフロア

四階 玩具のフロア

五階 本のフロア

六階 映画館

七階 遊園地

金星灯

朝夕に星の光を灯す街燈

金星の光を集めて発光する街燈。金星灯百貨店のシンボル。全盛期には三千本以上の金星灯が百貨店までの道のりに立ち並び、さながら光る森のようであった。軌道をそれた金星が遠ざかるにつれ光は薄れ、今はその技術を受継ぐ者もなく、金星灯百貨店前庭に残るものが歴史上最後の一本である。

一階 総合案内と婦人服のフロア

一階総合案内と婦人服のフロアには、造花のバラ園と大きな天蓋つきの寝台がある。百貨店から離れられない案内嬢がフロアに住み着き、自分の好きなように飾り付けをしているのだ。

二階 服飾雑貨のフロア

二階は服飾雑貨のフロア。柱時計に目覚まし時計、懐中時計や腕時計、大小さまざまなホールクロックと、フロア全体があらゆる時計で埋め尽くされている。

フロア担当者は、身長15センチほどの小さなゾウ。大時計の中に暮らしながら、中にものが入れられる“ゾウの時計”を作っている。

三階 紳士服のフロア

三階は、紳士服と水族館のフロア。上等な背広を着たマネキンたちと、“深海魚のような魚”や“淡水魚のような魚”が入れられた水槽が立ち並んでいる。

四階 玩具のフロア

四階は玩具のフロア。紙マッチでできた人形の“まち子”姉妹たちが住む町・燐寸灯が、フロアの中にそのまま引っ越してきた。

五階 本のフロア

五階には書店が入っている。店長は大きな青虫。SF小説家アーサー・ジンデル氏のファンの青虫氏は、書棚の一番良い場所を、ジンデル氏の特集に使っている。

六階 映画館

六階は映画館。店員が住み着いている金星灯百貨店の特長を活かし、二十四時間一日中、ずっと映画を上映している。

七階遊園場

百貨店の最上階は遊園場。小さな観覧車にメリーゴーラウンド、スワンの遊具が置かれている。
サーカスが巡業に来ることも。

1