物語
金星灯百貨店
夢の大百貨店
塔のような七階建ての百貨店。何でも揃う夢のデパート。最上階には小さな遊園地も。
迷路のようなフロアには、奇妙な住人たちが潜んでいる。ここから始まり、ここで終わる、物語の舞台。
一階 総合案内と婦人服のフロア
二階 服飾雑貨のフロア
三階 紳士服のフロア
四階 玩具のフロア
五階 本のフロア
六階 映画館
七階 遊園地
金星灯
朝夕に星の光を灯す街燈
金星の光を集めて発光する街燈。金星灯百貨店のシンボル。全盛期には三千本以上の金星灯が百貨店までの道のりに立ち並び、さながら光る森のようであった。軌道をそれた金星が遠ざかるにつれ光は薄れ、今はその技術を受継ぐ者もなく、金星灯百貨店前庭に残るものが歴史上最後の一本である。
二階 服飾雑貨のフロア
二階は服飾雑貨のフロア。柱時計に目覚まし時計、懐中時計や腕時計、大小さまざまなホールクロックと、フロア全体があらゆる時計で埋め尽くされている。
フロア担当者は、身長15センチほどの小さなゾウ。大時計の中に暮らしながら、中にものが入れられる“ゾウの時計”を作っている。
白猫マイカ
SF小説家の愛した猫
SF小説家A・ジンデルの愛猫マイカ。真っ白な毛に水色の目、ピンクの肉球の美しい猫。人間不信と絶望に満ちた宇宙開発小説で有名となったジンデルだったが、ひょんなきっかけで子猫と暮らすようになって以来、作風は一変。愛するマイカのためだけに書いた物語は愉快な冒険小説として児童に人気となった。マイカが家出をしていた七日間の空想と狂乱を書いた『白猫マイカの宇宙旅行』は、彼の白猫マイカシリーズの代表作であり、映画に漫画にアニメーションなど、様々なメディアで取り扱われた。
白猫マイカ・キャプテンマイカについては、フリーペーパー金星灯通信vol.04、vol06にも詳しく書かれています(WEBで全文ご覧いただけます)
火星探査ロボットM-e1-088
宇宙で一番の親友
A・ジンデルの小説『白猫マイカの宇宙旅行』に登場するロボット。子猫マイカを宇宙に連れ出し、試練を与えつつも常に寄り添い励ます、頼りになる相棒。
モデルはジンデル自身が子供の頃に無二の親友として遊んでいたブリキの玩具。ロボットの勇ましい活躍を描いた箱絵と、バチバチと目の光るロボットは、少年ジンデルのイマジネーションを大いに刺激した。錆びつき壊れ玩具としての使命を全うした後も、ジンデルはロボットと箱の切れはしを大切に彼の宝箱にしまいこんでいた。
アーサー・ジンデル
寂しがり屋のSF小説家
彼は心から信頼しあえる理解者を求め4回結婚したが、その結果4回の離婚を経験し、人間不信もさらに深まる事となった。
人間社会を恐れた彼は宇宙の果てに彼の真実を探しに行くために、奇妙な小説を書き続けた。
キャプテンマイカ
宇宙を旅する白猫
宇宙を旅する白猫・キャプテンマイカは、架空のSF小説から飛び出したキャラクターです。宇宙服と三角お耳に長いしっぽがチャームポイントです。
こねこマイカは、ある日そっと家を抜け出し、宇宙の冒険に出かけます。
キャプテンマイカとゆかいな仲間
キャプテンマイカと、火星探査ロボットM-e1-088と、アーサー少年は、それぞれの探し物を胸に、宇宙の果てを目指します。
マイカはお父さんへのお土産に、宇宙のきれいな石を。
M-e1-088は、一度失った宇宙の夢を。
アーサー少年は未知なる自分を。
エーテルレンズ大サーカス
エーテルレンズ大サーカスの、一千枚のレンズと三千枚の鏡を使った出しものは、万華鏡のような美しさだと評判です。
団長が機械を操ると、手のひらにのるゾウが天幕を飲み込むほどに大きくなり、
女奇術師の手もとからは花とカードとハトが舞い、
双子は百対の双子となって二百の炎を噴き、
百面相の少年は客席に現れては消え、
わたしとよもぎの空中ブランコは、星の間を行き来するほどに大きく揺れるのでした。
団長とペンギーテース
昨日の夢のはなし
昨日、おかしな夢を見ました。
私のおかあさんは私よりすこし小さな女の子で、
白い犬といっしょにサーカスで暮らしています。
そして私は、そのサーカスで、きっと誰かと出会うのです。
そんな予感がするのです。
鈴成 寿々女 (すずなり すずめ)
2101年8月31日生まれ おとめ座
2105年 金星糖製菓『ワンダー金星チョコレエト』コマーシャルでデビュー
趣味はお絵かきとピアノ
大人気活躍中の子役スター。
金星灯百貨店6階の映画館で上映されている映画には、全て寿々女ちゃんが出演している。